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『バイヤー柳田』のワイナリー訪問記

このコ−ナーでは実際に訪ねた蔵元の様子や旅の途中のエピソード等をご紹介いたします。



VOL.13「イタリア縦断、激走3000kmの旅」

@「ネイラーノ社」(ピエモンテ州)SEP/03/2001

 前日、快晴のミラノ・マルペンサ空港に到着したI社長を団長とする一行17名は始めの訪問先であるピエモンテ州ネイラーノ社を目指した。

 ピエモンテといえばバローロ、バルバレスコの世界ではあるが、スペローネさん兄弟はこの地では 平凡とされていたバルベラ種を魅力溢れるシックな味に仕上げている。
 特に選りすぐりのバルベラ種を仏産新樽で1年熟成させたバルベラ ダスティ スペリオーレ レクローチ97(\3000)は 上品な樽香が漂う豊かな味わいの特筆物。ランチの後のグラッパで次ぎの訪問先まで暫し小休止としよう。


A「ネラ家」(ロンバルディーア州)SEP/03/2001

 州都ミラノから車で約3時間。途中避暑地として有名なコモ湖の絶景を眺めながら、スイスとの国境の地ヴァルテリーナに1940年創業のネラ家がある。 アルプスの麓の南斜面を利用した海抜300mの畑は機械作業を拒む急勾配にあり、その為の手作業による労働量は平地の4倍に相当する。
 それにしてもここのワインは驚くほど長命で若いうちは無口だが熟成を経て、他では見つけることの出来ない深い味わいへと華開く。
 98年にDOCGに昇格したヴァルッテリーナ スペリオーレ90(\3000)はこれから益々楽しみなワイン。
 ネラ家のスタッフとの夕食会は自慢のビリザオラ牛のおもてなし。蕎麦の実のパスタピッツォケリは経験した事のない魅惑の味。自慢のグラッパで時が流れた。


B「ルイジ・リゲッティ家」(ヴェネト州)SEP/04/2001

 家族経営のルイジ・リゲッティ家は品質と価格のバランスを考えるとヴェネトのスペシャリストだと思う。ここのワインの真骨頂は何と言ってもアマローネ。 収穫から翌年の2月までアッパシメント(陰干し)した葡萄を原料に、糖分が完全に無くなるまで約1ヶ月かけて醗酵させる独特なワイン。 アマローネ ヴァルポリチェッラ ロアリ95(\3500)はビターチョコやシナモンの香り、力強いアタックで微かな甘みと長い余韻が飲む人を魅了し20年はキープできるアマローネの逸品。
 ヴァルポリチェッラ リパッソ98(\1700)は特別な製法でアマローネの魅力を持ち合わせたスタンダードワイン。飲み応えがありローストビーフやチーズに良く合う。
 ランチで頂いた冷たいリゾットはサラダ感覚で楽しめ、ここのワインに良く合う。


C「カ・ルガーテ家」(ヴェネト州)SEP/04/2001

 安さを追求する大多数のソアーヴェの中にあって、ここのワイナリーは異色である。造りの秘訣はやはり手間を惜しまない事にある。
 畑の環境の違いにより区別した15の区画毎に全て手摘みで熟した健康な葡萄のみ収穫する事から始まり、注意深く温度管理されたタンクで醸造、区画によっては木樽熟成してリリースされる。 その間一貫して無駄とも思えるような気使いが比類ない極上のソアーヴェの誕生をもたらす。
 ソアーヴェ クラシコ スペリオーレ プッチアート99(\2000)とてもソアーヴェとは思えないコクのある幻のソアーヴェ。

 夜はアグリツーリズモを兼ねたレストランで北イタリアの伝統料理の数々をご馳走になった。
 どれも見た目の華やかさはないが素材の持ち味を充分に生かされ、とりわけアヒルのローストは王室献上料理の折り紙付き。
 ちなみにこの日もグラッパの締めくくりまでたっぷりと4時間。Ho mangiato bene!


D「カヴァルキーナ家」(ヴェネト州)SEP/05/2001

 一昨日から始まった白葡萄の収穫は順調に進んでいるとのこと。
 カヴァルキーナの歴史は古く1848年にはここクストーツァ地域の最も重要な生産者として記録されている。1911年現在のピオーナ家が所有しこの地に改革をもたらしたのである。 すなわち質より量を重要視し、品質を高めることが容易でなかった当時にあって、新たな品種を栽培し研究の積み重ねで最も人気のあったソアーベをもしのぐ白ワインを開発したのである。
 ここのイチ押しはビアンコ ディ クストーツァ00(\1600)トレッビアーノとガルガネーガ種からなり、口に含んだ瞬間、果実の甘さが広がるまろやかな辛口。ワインの旨味が新鮮な魚介料理を引きたたせてくれる。


E「バローネ・コルナッキア家」(アブルッツオ州)SEP/05/2001

 北イタリアから一気に南下し、夕刻、お目当てのコルナッキア家に到着した。醸造所はアドリア海に程近い美しい丘陵地帯にある。
 10年前始めて扱って以来、当店で常に一番人気のイタリアワイン、モンテプルチャーノ ダブルッツォ99(\1380)の他にも、 単一畑や樹齢60年の厳選した葡萄で造られる上級品モンテプルチャーノ ダブルッツォ ポッジョバラーノ98(\2000)、そして少量白ワインも造られている。
 数年前、R.パーカーJRが高得点をつけて以来、世界中の需要にほとんど応じきれていない状況にある。

 アドリア海沿いのシーフードレストランでの食事会。近くで採れた新鮮な魚貝のアンティパストが全12種類。メインの平目やカサゴのグリルと力強くインパクトのある味わいのポッジョバラーノ98(赤)がお互いをつぶさずに不思議なマリアージュを 醸し出してくれた。

                             まだまだ、つづく・・

 

バックナンバー
              
VOL.14「父と娘のフランス珍道中」 01/2004
VOL.13「イタリア縦断、激走3000kmの旅」 09/2001
VOL.12「西オーストラリア飲・食・遊・・」 02/2000
VOL.11 「パリの三ツ星で美女5人と食す」 08/1999
VOL.10 「ボルドー・ボーヌ・ランス三都一人旅」 01/1999
VOL.9 「厳寒のシャトーマルゴーを訪ねて」 01/1998
VOL.8 「ここは南仏ラングドックど真ん中!」 02/1997
VOL.7 「ボルドー右岸、至福のメルローを求めて」 02/1997
VOL.6 「極上のミュスカデとナントの生牡蠣」 10/1995
VOL.5 「ベルギーで本物のグースに酔う」 10/1995
VOL.4 「ブルゴーニュとびきりのドメーヌ巡り」 06/1994
VOL.3 「田崎氏と行く、煌きのシャンパーニュ」 06/1994
VOL.2 「憧れのボルドー&VINEXPOで迷う」 06/1991
VOL.1 「始めての欧州、ドイツ・ラインガウで泣く」 09/1989